このたびの台風被害に際し、心よりお見舞いを申し上げます。
一日も早い復旧をスタッフ一同お祈り申し上げております。
当店では、台風19号による千曲川氾濫でで浸水した管楽器の洗浄、消毒、修理を行わさせて頂いております。
ここでは楽器別に浸水した場合の対応を書かせて頂きます。
ご参考までにご覧ください。
管楽器
まずは販売店に相談し、すぐにお持ち込みください。
必ず楽器の洗浄が必要となります。
浸水した場合の多くは色んな土や様々なものが水に混ざった汚水です。
すぐに持ち込めない場合は真水で洗浄してください。
この汚水が乾いた泥が厄介です。
できれば1週間以内に行ってください。
■木管楽器
残念ながら、浸水してしまった楽器はほとんどの場合オーバーホールとなります。
タンポも全て交換するため、楽器店にすぐに持ち込めない場合は真水で木製、金属製
問わずに泥や不純物を洗い流してください。
また、木製楽器(クラリネットやフルート、ピッコロ)は洗浄後、できるだけスワブを
通して水分をとってください。
乾燥する場合はドライヤーなどの温風は絶対に使わずに、暗所で自然乾燥してください。
クラリネットやピッコロの原料のグラナディラは直射日光に弱く、変色又は割れの原因と
なります。
お客様ご自身の安全が確保されましたら、販売店や楽器店にご相談ください。
■金管楽器
汚水がケース中まで浸水している場合はピストンや、レバーを絶対に押さないでください。
また、スライドを絶対に動かさないでください。
汚水に含まれるゴミや泥の小さな粒で内部が傷つきます。
これが原因で修理してもシャリシャリと異音がする可能性があります。
楽器店に持ち込めない場合はできるだけ早く真水でご自身で分解できるところまで泥を洗い流してください。
ロータリー楽器の場合は下手に弄らずに、本体をある程度綺麗にしたら楽器店にお持ち込みください。
弦楽器
一般的に水害によって浸水した場合は修理不能となる場合がほとんどです。
まずは楽器店、販売店にご相談ください。
修理できない場合は自治体の指示に従い、指定の方法で処分してください。
■アコースティック(クラシック、フォークギター、バイオリン、ウクレレなど)
ご自身で綺麗にする場合はまずは泥を真水で洗い流してください。
その後、乾拭きしてしっかり水分をとってください。
ドライヤーの温風などを使用せずに、暗所で自然乾燥を行ってください。
安全が確保でき次第楽器店にご相談ください。
■エレキ(ギター,ベース、ピックアップ付きアコギ)
まずは絶対に電源を入れないでください。
外観は乾燥しているようでも内部が乾燥していなかったり、泥や塩分が電源部や電気基板等に付着している状態で電源を入れると発煙や発火の恐れがあります。
大体の場合は使用不可となりますが、本体が無事であればピックアップや回路の交換ができる場合がございます。
ただし、fホールの楽器で中に浸水しているものに関しましては修理がほとんどできません。
メーカー、販売店、楽器店にご相談ください。
打楽器
打楽器も幅が広く一概には修理可能か不可能かの判断は難しいです。
まずは販売店や楽器店にご相談ください。
打面(ヘッド)のある楽器のスネアやタムタム、バスドラム、ティンパニ、ボンゴ、コンガなどの場合は
ヘッドを外して早急に泥を真水で洗い流してください。
しっかり水を拭き取り、木製の場合は暗所の風通しの良い場所で乾燥。
胴が金属製の場合は日光の当たる場所で乾燥しても大丈夫です。
鍵盤楽器は上記のように洗い流した後、枠やキャスターなどをしっかり乾燥させてください。
鍵盤は外し、木製の場合は暗所の風通しの良い場所で乾燥してください。
紐、バネは鍵盤から外し使わずに捨ててください。
必ず販売店、または最寄りの楽器店にご相談ください。
ピアノ(電子キーボード、オルガン)
一般的に水害によってピアノの鍵盤部以上に浸水した場合は修理不能となります。修理可否の目安は下記をご参照ください。
修理できない場合は自治体の指示に従い、指定の方法で処分してください。
■アコースティックピアノ
アップライトピアノの場合、ピアノのキャスターより上に浸水した場合は基本的に修理は困難です。キャスター部分は部品交換修理が可能です。
グランドピアノの場合、ピアノ本体(棚板)以下の浸水であれば脚柱・ペダルアッセンブリーは部品交換修理が可能です。ただし、製造年代・品番により、部品供給ができない場合があります。
なお、海水が浸水した場合には、塩分が残留することから部品交換が可能な部位以外の修理は困難となります。
■電子ピアノ(電子キーボード、オルガン)
電子機器が水害等により破損または浸水した場合は、電源を入れずに、まず電源プラグをコンセントから抜いて、販売店にご相談ください。外観は乾燥しているようでも内部が乾燥していなかったり、泥や塩分が電源部や電気基板等に付着している状態で電源を入れると発煙や発火の恐れがあります。
音響機器(スピーカー、アンプ)
電子機器が水害等により破損または浸水した場合は、電源を入れずに、まず電源プラグをコンセントから抜いて、販売店にご相談ください。外観は乾燥しているようでも内部が乾燥していなかったり、泥や塩分が電源部や電気基板等に付着している状態で電源を入れると発煙や発火の恐れがあります。
またほとんどの場合で修理が不能ですので自治体の指示に従い、指定の方法で処分してください。
いかがでしたでしょうか。
大切な楽器の浸水は本当に悲しいことです。
ですが、希望を捨てないでください。
再生できる場合もございますので、メーカーや販売店、楽器店にご相談ください。
1日も早く元の生活が戻ってくることをお祈りしております。
どうかお身体にはお気をつけください。